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Linux Mint公式コミュニティの記事「How to upgrade to a newer release」より。 面白そうなので読み進めたところ、初出が8年前、更新が2年前だった。 せっかく読み解いたのがもったいないので、特に古い情報に注釈はいれずにそのまま載せておく。 

A.はじめに

このチュートリアルでは、Linux Mintの新しいリリースにアップグレードする方法について説明します。

B. 総論

B1. アップグレードする必要があるか?

正常に機能していて、現在のシステムで問題なければ、アップグレードする必要はありません

新バージョンのLinux Mintは6ヶ月毎にリリースされています。通常は新機能と改善がなされています。しかし、既リリースにとどまることは悪いことではありません。複数のリリースをスキップし、正常動作するバージョンにとどまることができます。

各リリースは、約18ヶ月間(またはLinux Mint 13などの「長期サポート」リリースの場合は3年間)バグ修正とセキュリティアップデートを受けられます。開発チームは最新のリリースに注力もしています。バグ修正やセキュリティアップデートが重要なら、定期的に最新リリースにアップグレードする必要があります。そうでなければ、そのままにしておいて問題ありません。

一般論として...必要がない限り、または本当にしたくないのなら、アップグレードする必要はありません。

B2. 重要事項

アップグレードに関すう最重要事項は次のとおりです。

1. データが保全されている
2. 完全に機能するシステムにして閉じる

個人データは、コンピュータの中の最も貴重なものです。何か問題が発生してOSが壊れても、問題ありません。再インストールできます。あなたが自分データを失ったら...それは別の話です。

どのような方法でアップグレードするにしても、最初に行うことは、データのバックアップをとることです。

また、アップグレードするリリースが適切か確認する必要があります。すべてのリリースには、異なるカーネルが付いています。つまり、ハードウェアの処理方法が異なるということです。たとえば、Linux Mintで現在うまく動作するグラフィックカードまたはワイヤレスアダプタが、アップグレードする予定の新しいLinux Mintでは認識されないことがあります。新リリースへのアップグレードが判断間違いとなることもあります。問題の生じるリリースをスキップしたほがよういかどうか、知る方法はただ一つです。実際に試してみればよいのです。

Linux MintはライブDVDとして提供されます。このおかげで、コンピュータで新しいリリースを試し、アップグレードを進めるにハードウェアが認識されているかどうかを確認することができます。

安全のために:

1.外部デバイス(USBメモリまたはDVD)でデータを完全バックアップします。
2.新リリースのliveDVDをダウンロードして焼き、ハードウェアの完全機能を確認します。

C.アップグレード方法あれこれ

より新しいリリースにアップグレードするにはさまざまな方法があります。「フレッシュ」アップグレードと「パッケージ」アップグレードの2つに大別されます。

C1. 「フレッシュ」アップグレード

「フレッシュ」アップグレードでは、新しいリリースのliveDVDを使用して新しいインストールを実行します。これは既存のパーティションを上書きします。

「フレッシュ」アップグレードは、次の手順となります:

1. データのバックアップをとる
2. ソフトウェアのバックアップをとる
3. 新リリースのliveDVDを使用して新規インストールを実行する
4. データを復元する
5. 選択したソフトウェアを復元する

これは、Linux Mintをアップグレードするための推奨方法です。この方法には、以下の利点があります。

安全:データは外部からバックアップされます。間違いがあったり、インストール中にバグが発生しても、影響を受けません。
速い:インストールの所要時間は通常15分です。新リリースのDVDには圧縮データが含まれています。 ISOをダウンロードしてDVDからアップグレードする方が、システムをリポジトリからアップグレードするよりもはるかに高速です。
信頼:第一に、liveDVDを使用して新しいリリースでハードウェア対応をテストする機会があります。何かがおかしい場合は、シンプルにアップグレードしないことを決めることができます、遅すぎるこいうとはありません。第二に、の「フレッシュ」インストールされたLinux Mintが手に入ります。つまり開発チームとコミュニティによって完全にテストされたシステムが手に入ります。
簡単:物事は計画どおりに進みます。

C2. 「パッケージ」のアップグレード

「パッケージ」アップグレードは、次の手順となります。

1.新リリースのリポジトリにAPTをポイントする
2.APTに完全アップグレードを指示する

APTは、Linux Mintのパッケージ管理システムです。一部リリースには、これら手順を実行するためのGUIアップグレードツールが提供されていました。

Linux Mintをアップグレードするこの方法は、上級ユーザーにのみお勧めします。

このようにシステムをアップグレードする際の長所・短所は次のとおりです:

短所:

遅い:APTはシステムにインストールされているすべてのパッケージの新バージョンをダウンロードします。「フレッシュ」アップグレードなら、すべてのデータをダウンロードするのはISOファイルを取得するだけです。
信頼できない:変更、ソース、追加されたソフトウェア、そして設定によっては、新しいLinux Mintリリースとはまったく違った動作をするシステムで終わる可能性があります。常道から離れ、追加された機能は、設計どおりに機能しない可能性があります。
リスク:APTを使用してアップグレードするとバックアップしない誘惑にかられます。パーティションが上書きされないため、バックアップを「強制」されません。このリスクを考えてみましょう。
複雑:パッケージは互いに衝突し、複雑な依存関係をもたらします。この状況を解決するのは大変です。

長所:

自動:APTはすべて実行してくれます。(もちろん、どこかがおかしくならない限り)
真のアップグレード:「フレッシュ」アップグレードは、あなたのデータを使った新しいLinux Mintのようなものです...これは、どちらかというと「自分のシステム」が新しいバージョン下で動いている感があります。

D.アップグレード方法

このチュートリアルでは、「フレッシュ」アップグレードを使用します。

D1. 既存のシステムのバックアップをとる

個人データとインストールしたソフトウェアを保存する必要があります:個人データは、あなたがそれを失いたくないという理由です。ソフトウェアはインストール後に、すべてのアプリケーションを再インストールする必要がないからです。
D1.1 データをバックアップする
メニューから管理 - >バックアップツールを開き、mintBackupを開きます。
[バックアップファイル]をクリックします。
1. ソースのホームディレクトリを選択します。
2. ファイルのバックアップ先を選択します。(インストール中でパーティションをフォーマットするので外部ボリュームが理想です。)
3. 詳細オプションで、以下を選択します。
1. 説明(常に入れておくことをおすすめします。)
2. 出力フォーマット(ディレクトリとするかアーカイブとするか……アーカイブとして保存すると時間がかかりますが、NTFS/FATボリュームにバックアップするのなら、アーカイブではWindowsファイルシステムのディレクトリでは保持できないパーミッションを保持します。)
3. 上書きする(この設定は無視できます。既定のバックアップを更新する場合に使えます。)
4. 整合性の確認:遅くても信頼性が高く、バックアップ後に各ファイルのシグナチャをチェックします。
5. 権限とタイムスタンプを保持する:チェックを入れるのが必須です。
6. シンボリックリンクに従う:チェック不要です。
4.[進む]をクリックします。
時間とディスクスペースの節約のために、必要のないものを除外します。私は"サンドボックス"と "ダウンロード"ディレクトリをバックアップする必要はありません。(個人的には。)
準備ができたら、「進む」をクリックします。
バックアップ情報を確認し、[適用]を押します。

注:バックアップが完了後、結果を自分で確認してください。正しい保存先にに保存され、すべてのファイルとディレクトリが正常にバックアップしたバックアップツールをどれほど信用していても確認してください。アーカイブとしてバックアップすることを選択した場合は、アーカイブを開いて、アーカイブが動作しているかどうか、アーカイブに必要なものがすべて含まれているかどうかを確認してください。このツールは安定していますが、顕在的にバグがある可能性があります。あなたが何か間違えた可能性があります。 あなたのデータの話です。なによりも徹底的に確認してください。
D1.2ソフトウェア選択のバックアップ
メニューから管理 - >バックアップツールを開き、mintBackupを開きます。
「バックアップソフトウェアの選択」をクリックします。
インストール先を選択してください(インストール中にこのパーティションをフォーマットするので、外部ボリュームが理想的です)。
次の画面は、Linux Mintに追加したすべてのパッケージを表示しています。バックアップから除外するファイルを選択し、[適用]をクリックします。

注:バックアップが完了したら(時間はかかりません)、コピー先に移動し、「software_selection」で始まるファイル名を確認します。これがソフトウェアのバックアップです。

D2. Linux Mintの新しいバージョンをテストしてインストールする

1. Linux Mintの新しいバージョンのISOをダウンロードしてください。
2. そのMD5シグナチュアを確認してください。
3. ライブDVDで低速で書き込みます。
4. liveDVDから起動し、「ディスクの整合性をチェックする」("Check disk integrity")オプションを選択します。
5. liveDVDから起動し、「Linux Mintを起動する」を選択します。
6. ライブ環境上で、ハードウェアが正しく認識されていることを確認します(グラフィックカード、ワイヤレスなど)
7. この新しいリリースが気に入れば、デスクトップの「インストール」をクリックし、通常のインストールを続行してください。
8. インストーラから "手動でパーティションを指定する(詳細)"を選択し、現在インストールしているLinux Mintのパーティションを選択、 "/"を割り当てて "ext4"に再フォーマットします。

D3.データとソフトウェアの復元

D3.1 データを復元する
メニューから管理 - >バックアップツールを開き、mintBackupを開きます。
「ファイルを復元する」をクリックします。
アーカイブとしてデータをバックアップした場合は「アーカイブ」を選択、そうでない場合は「ディレクトリ」を選択します。 ソースをアーカイブまたはデータのバックアップを作成した場所を指定します。
新しいホームフォルダを保存先として設定します。
現時点ではホームフォルダが空であるため、高度なオプションは無視します。これらの設定は、定期的なバックアップを実行しているユーザーが最適化するためにあります。
情報を確認し、準備ができたら "適用"を押してください。
D3.2ソフトウェアを復元する
メニューから管理 - >バックアップツールを開き、mintBackupを開きます。
「ソフトウェアを復元する」をクリックします。
バックアップしたソフトウェア選択ファイルを選択し、「進む」を押します。
次の画面にパッケージの一覧が出てきます。インストールするソフトウエアを選択し、「適用」を押してください。
このリストには、以前のソフトウェの一部であり、現在のシステムにインストールされていないパッケージのみが含まれています。新しいシステムに既にインストールされているパッケージは、再度インストールする必要はないため、このリストには表示されません。
いつでも、あなたは "閉じる"ボタンを押すことができます。すべてインストールする必要はありません。後から変更したい場合は、バックアップツールをまた起動して、同じバックアップを使用してソフトウェアを復元します。一覧が表示され、見つからないパッケージが表示されます。
PPAやその他のリポジトリを使用していて、以前にインストールされたパッケージの一部が現在のシステムで見つからない場合、これらのパッケージはリストに表示されますが、選択することはできません。その場合は、メニュー - >管理 - >ソフトウェアソースツールを使用して不足しているリポジトリを追加し、バックアップツールの「更新」ボタンをクリックしてAPTソースを更新します。

注意:「更新」ボタンは、APTキャッシュではなく、リストをリフレッシュします。 /etc/apt/sources.listを手動で更新する場合は、端末で「apt update」を必ず実行してください。

E. よくある質問

E1. Linux MintのアプグレードをUbuntuのようにしないのはなぜですか?

私たちの考えでは、Ubuntuには3つのあやまちがあります:

1.データを簡単にバックアップすることはできません。そうするよう警告することもありません。
2.最新バージョンにアップグレードするように自動的に求められます。あなたは "アップグレード"ボタンをクリックすると、後戻りできません。関連するリスクの説明はなく、長所短所についての説明はありません。よくわからないプロセスが簡単にボタンをクリックするだけで実行されます。
3.「パッケージ」アップグレードです。この長所と短所については、セクションC2を参照してください。

Ubuntuが提供する唯一の利点は、プロセスが自明で完全に自動化されることです。しかし、リスクとシステムをアップグレードする方法を考慮すると、これは危険ですコマンドラインでもお勧めできません。そうするためいボタンをクリックして起動させるだけなのは受け入れられません。 それは簡単ですが、それは正しいソリューションではありません。時には、適切に物事をするために十分な時間が必要です。アップグレードでは、データをバックアップし、インストール前にリリースをテストし、壊れたり衝突するパッケージを避けることが重要です。 Ubuntuによって選択された方法は完全GUIで使いやすいですが、それだけでは失敗します。これが最も重要なことです。

E2. ローリング・ディストリビューションにしたほうが良いのではないでしょうか?

賛否両論があります。

ローリングディストリビューションは、リリースごとにジャンプしないディストリビューションです。 パッケージは継続的に更新されます。おかけでユーザーは新しいリリースにアップグレードする必要はありません。しかし、安定性とテンポの兼ね合いがあります。システムが「フリーズ」しているときにテストする方が簡単です。パッケージのベースが移動すると、新しい変更により他のパッケージに問題が発生する可能性があります…… 30,000以上のパッケージを含むディストリビューションでは、パッケージのアップデート後に「アップデートでかえっておかしくなる現象」を調べるには何日もかかるでしょう!

Debianは良い例です。安定版は、テスト版の固定されたスナップショットです。テストブランチ自体は完全に安定しているとはみなされず、新しいパッケージが出てくるまでにしばらく時間がかかることがあります。もちろん、ローリングディストリビューションの性質のおかげで、新しいパッケージによって導入されたは数日後に修正することができます。全体的に、ローリングディストリビューションは非常に安定しています。ユーザーは壊れた機能ををすばやく報告し、開発者は直ちに修正すればです……問題が発生し、修正されればです。
凍結したベースでは、多くのテストが進行しますが、その後は壊れにくいです。ディストリビューションがリリースされる6ヶ月の間、開発者はアップグレードを心配する必要がなく、開発とイノベーションに時間を費やすことができます。

今日利用可能なほとんどのディストリビューションはリリースサイクルを採用しています。注目すべき例外として、Debian(「ローリング」ディストリビューションとは見なされない「安定」版を除く)、Arch Linux、Gentoo、PCLinuxOS、Sidux、Foresight Linuxがあります。

参照: