会社で使っていた中古パソコンを流しで売ってるやつ。 「譲渡」という日本語は無償に限定していないので、詐欺ではないと思われる。 これに行ってみた。

会場外で待たされる

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すぐには会場に入れさせてもらえず、まずは会場外に並ばさせられる。 チラシを渡される。

気になったのが、バッテリーについての一文。

「機器の内蔵バッテリーは、非常時の電源確保分のみのため、すべての機器に家庭用の電源でお使い頂けるACケーブルをお付けしています。機器使用時には家庭用電源でご使用ください。」

中古だから経年劣化してますよ、ということかな。 ハードオフなら「バッテリー保証外」の8文字で済ませる内容を回りくどくどと。

WPS(Kingsoft Office)インストール済がアピールされているが、3,000円かそこらのものをアピールされても。

説明を聴かされる

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紹介動画の再生→FAQ→SSDの威力デモ。 後ろから聞こえてきた「筆まめが入ってるのか!」の興奮した体に違和感。

FAQ:
Q1:ネットがすぐできる?
A1:有線LANケーブルを挿すだけです。 Wi-Fi内蔵していない機種にはUSBアダプターを付けます。

→わかる。

Q2:新品で買うといくらするの?
A2:7万円~10万円です。 新品は初期設定をやってません。メールとかゲームとか入っていません。これらにさらに2~3万かかります。

→!?  LANケーブルをつなげばネットにつながるのは、新品も同じ。 メールとかゲームとかも普通入ってくる。

Q3:ネット通販の中古とどこが違うの?
A3:Windows 7や8から無料アップグレードしており、Windows 10のライセンスがありません。 3ヶ月に1度のプログラムの更新ができません。

→!! Microsoftの無料アップグレード権を行使していれば、それは正規ライセンスを取得している。 Windows Updateが3ヶ月に一度だけというのは、どこのどこ情報だか。

SSD搭載のノートを掲げ、「ほら、こんなに早い」デモ。 確かにSSDの威力もあろうが、Windows 10のログイン認証画面はスキップする設定にして、速さを演出している。

やっと商品を見せてもらえる

並び始めて約30分、ようやく「餌」にありつくことができる仕掛け。 商品は7機種ほど。 一番高いやつを見てみた。

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東芝DynabookのB551/E。 Windows 10インストール済。CPUがi5でメモリが4GB。 そして……、

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ふわっ! SSD容量120GBだけ!!

確かに会社用パソコンは音楽や動画を保存したいというニーズに答える必要はない。 せっかくのi5プロセッサーだが、動画編集などをやりはじめると、容量不足に泣かされそう。

「ビジネスユースなので容量少な目」という説明はない。 ハードディスクやSSDにも寿命がある。中古SSDはハードディスク以上に寿命が近いモノを掴んでしまうリスクが高いという説明は、無論、ない。

また、同機種はWindows 7用として販売された。 東芝はWindows 10へのアップグレードサポートの対象機種とはしていないのも、気がかりな所。


商品の後ろではSSDはこんなに早いですデモをまたやっている。 「早っ!!」「これすごい高いんじゃない!?」という、また興奮した体の声があがった。 同容量のSSDは、いまアマゾンで新品が5,000円ぐらい。 確かに、この中古パソコンが税込み60,000円超は高い。


参考:
ビジネスノートPC dynabook Satellite B551 ハードウェア仕様
dynabook.com | サポート情報 | Windows 10 アップグレードサポート対象機種